動脈硬化を予防したい!

日本人の死因のトップはガンですが、ガンに次ぐ心筋梗塞や脳梗塞、脳卒中を合わせるとガンよりもずっと多くなります。そしてこれらの疾患はすべて動脈硬化症が原因となって発症します。

動脈硬化はサイレントキラーともいわれ、よほど悪くならないかぎり自覚症状がありません。血管の70%が詰まってしまってもほとんど自覚症状を感じないともいわれます。つまり自覚症状を感じた時にはかなり病状が進行してしまっていて、いつ心筋梗塞や脳梗塞、脳卒中を起こしても不思議ではない状態まで悪化しているのです。

動脈硬化が起きる原因のひとつは血中に増えすぎたLDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)ですが、LDLコレステロールが増えただけでは動脈硬化にはなりません。コレステロールは健康な細胞膜をつくるのに欠かせない物質ですが、多すぎて余ってしまったコレステロールは仕事にあぶれてしまい、あてもなく血管内をさまようことになってしまいます。

そうした余ってしまったコレステロールが活性酸素によって酸化され「酸化コレステロール」に変化すると掃除役のマクロファージが派遣されて人体にとって有害な異物となった酸化コレステロールを食べて処理します。マクロファージは「貪食細胞」あるいは「大食細胞」とも呼ばれ、次から次と食べ続け、やがて限界をこえてこわれてしまい「泡沫細胞」というゴミのような状態となって血管壁にたまってしまいます。結果として血管は狭く硬くなってしまいます。これが動脈硬化症のメカニズムです。

動脈硬化症でもろく、弱くなり傷ついた血管壁から出血すると血小板が止血しようと血液を凝固させますが、そうしてできた血の塊が「血栓」です。血栓によって血流が滞ってしまい、劣化して弱い部分が破れてしまえば脳卒中を起こします。また血栓がはがれおちて、より細い血管に流されて行って詰まると場所によって心筋梗塞や脳梗塞などを起こします。

動脈硬化を防ぐには動物性脂肪などのコレステロールの多い食事を避けることが基本ですが、それ以上に大事なのが野菜をできる限り多く食べるということです。野菜には活性酸素の害を減らす効果の高い抗酸化物質がたくさん含まれています。たとえば野菜に多く含まれるビタミンやミネラルのなかには強力な抗酸化力を持つものがいっぱいあります。代表的な抗酸化ビタミンはA、C、EですがA(βカロテン)はにんじんやかぼちゃにたっぷり含まれています。Cはブロッコリーやパセリ、だいこん、じゃがいもなどに多く含まれています。Eは野菜ではありませんがアーモンドやひまわりの種に非常に多く含まれています。また、植物油はビタミンEの含有量が多く、とくにひまわり油やサフラワー油にはたっぷりのビタミンEが含まれています。

野菜や果物にはビタミン以外の抗酸化物質であるファイトケミカル(phyto-chemical)も豊富に含まれています。ファイトケミカルは植物に特有の化学成分で、植物が有害な紫外線などから身を守るために自ら作って細胞内に蓄えている抗酸化物質です。植物の色素や香りなどを構成する成分ですが、ポリフェノールなどの名前で広く知られているものです。カロテノイド(にんじん、かぼちゃなど)、フラボノイド(たまねぎ、アスパラガスなど)、クロロフィル(ほうれんそう、ピーマンなど)、アントシアニン(なす、ブルーベリーなど)、ゼアキサンチン(コーン)などがあり、それぞれにとても強力な抗酸化力を持っていてヒトの体内でも活性酸素による酸化を防ぐのに役立ちます。

コレステロールは全身の細胞に必要なものを送るために必要不可欠なものではありますが、動脈硬化は多すぎて余ったコレステロールが活性酸素によって酸化されることで起こります。動物性脂肪や植物油の多い食事をなるべく控えて野菜中心の食生活にしましょう。