ガンを予防したい!

医療技術が急速に進歩してさまざまな病気が治療できるようになりましたが、平均寿命が延びればそれに比例してガンの発症率も増えていきます。2人に1人がガンになるといわれるのも不思議なことではないのかもしれません。

私たちの体の中では毎日5000~6000個のガン細胞の芽ができているといわれます。それはとくに異常なことではなくて、だれの体内でも自然に起きている現象です。ふつうそれらのガン細胞の芽は自然死をして新しい正常な細胞にとってかわられますが、なんらかの原因で自然死せずにガン細胞に成長してしまうことがあります。

そうした初期のガン細胞ははじめはゆっくりと分裂を繰り返しますが、ある程度成長すると突然爆発的なスピードで大きくなります。ひとつのガン細胞が1グラムのガンに成長するためには30回の分裂を要しますが、そこからたった10回の分裂で1キロのガンに成長してしまいます。

初期のガン細胞からCT検査などで発見される大きさになるまでには10年から20年かかるといわれています。現代ではこうした初期のガンなら、発生の部位にもよりますが、じゅうぶんに治療可能で生存率も高くなっています。

ガンの発生原因には喫煙のほかクルマの排気ガス、紫外線、放射線、農薬や殺虫剤などの薬品、食品添加物、過度の運動、食べ過ぎ、ストレスなどさまざまなことが挙げられますが、そのどれもが結果として活性酸素を大量に発生させるスイッチだということです。活性酸素は細胞や遺伝子に毒を吹きかけて酸化させ、ガンの芽を作ります。

ガンの根本原因ともいえる活性酸素を減らすには抗酸化物質をとりいれて体内や体表を酸化から守ってあげることが大切です。抗酸化物質はいろいろな食品からとることができますが、野菜やくだものは身近でいちばん抗酸化物質をとりやすい食品です。ビタミンやミネラルはもちろんですが、野菜などの植物にはファイトケミカルという植物特有の化学物質が含まれていて強力に活性酸素を除去してくれます。

ガン予防に必須の強力な抗酸化力を発揮するビタミンはA(βカロテン)、C、Eですが、どれも野菜やくだもの、ナッツ類に豊富に含まれています。カロテンをはじめフラボノイド、アントシアニン、ゼアキサンチン、クロロフィルなど高い抗酸化作用をもつファイトケミカル成分もたっぷりと含んでいます。ファイトケミカルは植物の色や香りを構成する成分ですから赤やオレンジ、黄色、緑など、なるべく見た目がカラフルになるように工夫して野菜やくだものを食べると多くのファイトケミカルをとることができます。ショウガやにんにく、パプリカなどにも香りのもとであるファイトケミカルがいっぱい含まれています。

ガンの予防には野菜やくだもの、豆類、ナッツ類、きのこ類、海藻などの植物性食品をたくさん食べるのがいちばん簡単で安全な方法です。ふだんから意識して野菜や植物系の食品を中心に食事をするようにすればガンだけでなく動脈硬化や糖尿病などのこわい生活習慣病も予防・改善することができます。

特にビタミンA(βカロテン)、C、Eはガン予防などの抗酸化対策としては多めにとるべきです。1日あたりの上限としてCは2000ミリ、Eは500~600ミリといわれています。Aは植物性食品からβカロテンでとる場合は特に上限はありません。しかし食べ物からそれだけとることはむずかしいので、ビタミンサプリメントで補うのがいいでしょう。

なお、ビタミンCは比較的熱に弱く、水に溶けだしてしまう水溶性のビタミンですから調理するときはなるべく時間を短くする必要があります。一方ファイトケミカルは熱に強いので調理で効果が下がることはなく、むしろ植物の細胞内に蓄えられている成分を熱で取り出せるので調理したほうが効果的です。野菜の煮物は煮汁にたっぷりとファイトケミカルが溶け出していますから、味を薄味にして煮汁も残さずたべるようにすると貴重な成分を余すことなくいただくことができます。